インサイダー取引とは?
実際に株式を購入する前に、インサイダー取引についても説明しておきましょう。
株式市場では、何よりも市場の公平と公正が大切です。市場参加者が等しく平等でなく、一部の人だけが不当な利益を得たり優遇されるのでは、市場への信頼は揺らぎますし、誰も市場に参加しなくなり、市場そのものが成り立たなくなってしまうでしょう。
インサイダー取引が禁止されているのも、市場の公正と公平を確保するためです。
インサイダー取引とは、会社関係者など、投資判断に影響を及ぼすような企業の未公開の情報を知り得る立場にある者が、その情報に基づいて株式等の取引を行うことをいいます。
たとえば、会社関係者なら、優良企業を買収することを、公に発表する前に知りえていることでしょう。その人が発表前にその株式を購入していたらどうなるでしょうか?企業買収の発表後に、買いが殺到し、株価が上がったところで売れば莫大な利益を手にすることが出来ます。
これはどう考えてもフェアではありませんよね。
あるいは、減収減益の情報を公に発表する前に知り得ていた人が、その情報をもとに手持ちの株を大量に売っていたり、信用取引で空売りしていたとします。減収減益の発表後に株価が下落すれば、その人は、損を免れますし、場合によっては膨大な利益を得ることでしょう。
これもフェアではありませんよね。
このように、インサイダー取引は情報を知り得ない一般投資家を不利な立場におきますし、市場の健全性・公平性を阻害するので、証券取引法で禁止されているのです。刑事罰も用意されています。
なお、インサイダーとは会社関係者のことですが、会社関係者は法律上、内部情報への近さによって、会社関係者は内部者、準内部者、情報受領者にわけられています。
(文責:K.H)