株の売買の仕組み
株式の売買の仕組みを一言で言ってしまうと、株式は売り手と買い手の条件が一致することで成立します。たとえば、売リ手が450円で売りたいのに、買い手が400円で書いたい場合には、売買は成立しません。同じ値段で売買する売り手と買い手が現れて、はじめて売買が成立します。
相対の場合は、当事者で話し合って値段と株数を決めてしまえば済むことですから話は簡単です。しかし、市場ではそうは行きません。
投資家は証券会社に売買注文を委託し、売買を委託された証券会社が投資家に代わって市場に買い注文や売り注文を出します。
市場では、売り手の呼び値と買い手の呼び値が交錯し、条件の合うものから順に売買を成立させていきます。
通常の株式の売買株式の売買(オークション方式)では、価格優先の原則、時間優先の原則、成行優先の原則という、三つの原則に従って売買を成立させていきます。
価格優先とは、買い注文であれば値段の高い順に売買を成立させ、売り注文の場合には値段の低い順に売買を成立させていくという原則です。注文価格が同じ注文の中では、時間優先の原則に従って、注文を出した時間が早い方が優先されます。そして、同じ価格・同じ時間の注文については、成行注文が優先されます。
市場では、この原則に従って、次々に売買が成立していきます。
ジャスダック市場の一部銘柄では、このオークション形式ではなく、マーケットメイク方式という方式が採用されています。マーケットメイク方式では、マーケットメイカーと呼ばれる根付証券会社が常時「売」と「買」の気配を提示し、提示された気配をもとに投資家の売買に相対で応じることで売買が成立していきます。
この気配値でのみ取引が行われ、成行注文はできないので注意が必要です。
なお、マーケットメイク方式の採用されている銘柄をマーケットメイク銘柄といいます。
いずれにせよ、株式売買では、売り手と買い手が存在し、売買注文の条件が一致しないと売買は成立しません。売買注文を出したからと言って必ずしも売り買いが成立するわけではないのです。
人気がなかったり、市場で取引されている株式の数が少ない株は売買が成立しづらいので注意が必要です。銘柄ごとの日々の売買成立量は新聞やネットで見ることが出来るので必ずチェックしておきましょう。
なお、売買成立量のことは「出来高(できだか)」といいます。発行済み株式数が少なかったり、浮動株比率の少ない株式は売買が成立しづらい(できづらい)ので、注意が必要です。
(文責:K.H)