オプション取引の特徴
オプション取引とは、オプション(権利)を取引することです。具体的に言うと、一定の期日までに、一定の価格で、原資産を売買する権利を取引することです。
オプションはあくまで権利に過ぎないので、オプションの買い手は、条件次第でこの権利を行使することは勿論、権利を放棄することもできます。
たとえば、「日経225を平成17年3月に17000円で売る権利」を売買することになります。そして、買い手は自分にとって不利な場合は、権利を放棄することが出来るのです。
オプションにはコールオプションとプットオプションがあります。コールオプションとは買い付ける権利のことで、プットオプションとは売り付ける権利のことです。
ちょっとややこしいかもしれませんが、コールオプションの買いと売り、プットオプションの買いと売りがあります。買い付ける権利を買うことも出来るし、買い付ける権利をうることも出来るのです。また、売り付ける権利を買うことも出来るし、売り付ける権利を売ることも出来るのです。
つまり、オプションには計4種類あることになります。
オプション取引には満期日があります。満期日がくると、オプションの権利は消滅してしまいます。オプション取引の買い手には、満期日までに勝負を決めなくてはならないというリスクがあることになります。
オプション取引の買い手は満期日までに、権利行使をするか権利を放棄します。オプションを行使することが自分にとって不利な場合には、権利を放棄することが出来るのです。
一方のオプション取引の売り手は、買い手の権利行使に必ず応じなくてはならないので、売り手の損失は理論上は限定されず、無限大になる可能性があります。
オプションの売り手は、買い手の権利行使に必ず応じなくてはなりません。損失が発生するか否かに関係なく、必ず応じなくてはならない点が売主のリスクです。
ただし、満期日を過ぎて権利が消滅した場合や、買い手がオプションの行使を放棄した場合には権利行使に応じる必要がなくなるのは言うまでもありません。
オプションの買い手は権利行使を放棄できるので、権利を行使することで発生する損失は回避できます。ただし、権利を放棄した場合には、権利行使に伴う利益もないので、支払ったプレミアムの額がそのまま損失になります。つまり、買い手の損失は支払ったプレミアムに限定されます。
買い手のメリットとしては、権利行使を求めれば、売り手はどんなに不利であっても絶対に権利行使に応じなくてはならないということです。買い手は権利行使を拒まれることはないので、買い手の利益は限定されておらず、無限大なのです。
オプションの売り手にとっては買い手の支払ったプレミアムが利益になります。売り手の損失は、買い手の権利行使に応じることで発生します。権利行使に必ず応じなくてはならないので、理論上、売り手の損失は無限大になります。
オプション取引のメリットのひとつにはレバレッジ効果があります。てこの原理で、少額の資金で多額の利益を売ることが出来るのです。
また、オプションの買いの場合、先ほど述べたように、リスクがプレミアムに限定されているのもメリットです。
あるいは、オプション取引を利用することで、現物株式の取引での損失をヘッジすることも出来ます。たとえば、保有株式の値下がりリスクのヘッジしたい場合には、同じ銘柄を原資産としたプットオプションの買いを入れておきます。すると、プットオプションによって値下がりリスクをヘッジした上で、保有する現物株時の値上がり益を追求することができます。
更にはコールオプションとプットオプションを組み合わせることによって、様々な事態に対処できる損益パターンを作り出すことも出来ます。
デメリットとしては、レバレッジ効果の逆で、損失も現物の取引よりも多額になってしまいます。たとえば、満期日の現物の価格によってはオプションの価値がゼロになり、支払ったプレミアムは全て失われてしまいます。
オプションの売りの場合、損失は限定されておらず、損失は理論上無限大になります。
特に、オプションの売りには、非常に大きなリスクがあると言えるでしょう。
更には、規制によるリスクもあります。たとえば、大阪証券取引所の日経225オプション取引においては、大証が各種の規制を課す権限を持っております。この規制によって取引参加者が不利益を被る場合もあります。
これらのリスクは決して小さいものではありません。現物株式と比較しても大きなものです。
オプション取引も、信用取引と同様、現物取引よりもハイリスクハイリターンといえるでしょう。また、信用取引に比べて、オプション取引はやや複雑です。
ネット取引の普及で、オプション取引も広まりつつありますが、まだまだ一般的な取引ではないというのが現状でしょう。ただし、リスクとリターンをしっかりと把握してうまく活用するなら、オプション取引も有力な資金運用のひとつになると思います。
(文責:K.H)