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株式投資における主な投資指標

 ここでは投資指標のうち、主なものを紹介します。投資指標を分析することによって、投資対象となる企業の価値(ファンダメンタルズ)や、株式が割高か割安かを判断していくことになります。
 株価指標にはそれぞれ特色があり、一長一短があります。一つの指標を絶対視するのではなく、いくつかの指標を組み合わせて投資判断に活かしていくべきです。
 なお、これらはネット上でも見ることが出来ますし、四季報や日経会社情報などでも知ることが出来ます。

 まずは株価指標について概説していきたいと思います。

株価純資産倍率(PBR)

 株価を1株当たり純資産で割った値です。株価純資産倍率によって、株価水準を判断することが出来ます。一般的にはPBR1倍が株価の下限の目安であるとされています。つまり、PBRは株価の下値を推定する役割を果たし、PBR1倍に近づいた時は株価の下限が近く、買いのチャンスである可能性が高いことを示しています。
 しかし、株価純資産倍率には欠点もあります。純資産を分母に取って算出される指標のため、短期的な株価変動に対する投資尺度にするのは難しいです。加えて、将来の成長力の反映も難しいです。
 従って、単独で投資尺度とするのは難しい指標です。他の投資指標と併用して投資判断に活かしていきましょう。

株価収益率(PER)・予想PER

 株価を1株当たりの税引き利益(EPS)で割った倍率です。株式が現在の利益または今期の予想利益と比較して割高か割安かを判断する指標です。当然、利益と比較して割安な株が狙い目ということになります。反対に、割高な株式の購入は慎重に行うことになります。
 PERは「20倍」というように「倍」という単位で示されます。PERが低ければ低いほど割安ということになります。ただ、PERが高いということは、その株が割高であることを意味すると同時に、その株に人気が集まっているという側面もあります。また、PERが低い株が割安であることは事実ですが、逆に言うと、割安なのにもかかわらず買われない不人気株である可能性もあるのです。
 PERには欠点があります。PER何倍までなら割安かという基準は必ずしも明確ではないのです。従って、過去の株価収益率や同業他社の株価収益率などとの比較による相対評価によって活用することになります。
 また、株式投資は現在の利益だけでなく、将来の利益に投資するものです。将来の利益上昇の可能性や成長の可能性は株価収益率には反映されないので、PERを絶対視することは出来ません。あくまで、現在の利益や、今期の予想利益を前提として使用される指標であることは認識しておきましょう。

株価キャッシュフロー倍率(PCFR)

 株価を1株あたりキャッシュフローで割った値です。キャッシュフローとは当期利益に減価償却費を加えたものです。株価キャッシュフロー倍率によって株価水準を判断することが出来ます。
 株価キャッシュフロー倍率が低ければ低いほど、株価は割安であると考えられます。同業他社と比較したり、過去の値と比較することによって、割高か割安かを判断していくことになります。

株式益回り

 一株あたり税引利益を株価で割った値。株価が税引き利益に対して割安か割高かを判断する指標です。

一株利益

 一株あたりの最終的な当期利益を示す指標です。当期利益を発行済み株式数で除して求められる値で、利益に対して株価が割安か割高かを判断する材料になります。

配当利回り

 株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。特に、配当金が目的で投資をする場合には非常に重要な指標です。
 長期保有を目的とする場合には、株価の値上がり益に加えて、配当金も大切な利益になりますから、配当利回りも参考にしながら銘柄を選ぶといいと思います。
 また、期末には、高配当の株式を中心に配当金を狙った買いが集まることがあります。従って、配当利回りの高い株式を、配当金を狙った買いによる上昇の前にあらかじめ買っておくという投資戦略も考えられます。

一株配当

 一株あたりの年間の配当金の額です。年間配当5.00円の場合、一株あたりの配当金は年5円ということになります。
 中間配当がある場合には、この5円が中間配当と期末配当の二回に分けて支払われます。たとえば、中間配当2円、期末配当3円というように配当金が支払われます。一回につき5円ではないので注意しましょう。 
 また、配当金は税金が源泉徴収された上で振り込まれます。年間配当5円の場合は、手取りの金額は4円になります。

一株純資産

 一株あたりの純資産額をあらわした金額です。企業の純資産総額を発行済み株式数で除した値です。一株当たり純資産が高ければ高いほど、企業の安定性が高いことになります。
 また、株価と一株純資産の額の乖離が小さい株は割安ということになります。
 株価には通常、一株純資産に将来に渡る利益や成長が加味されています。従って、株価が一株純資産を割り込むことはほとんどありません。ただし、ごく稀に株価が一株純資産の額を割り込むこともあります。バブル崩壊後の日本企業の中には、一株純資産を割り込む株価をつけてしまった企業がありましたが、明らかに売られすぎだったと言えるでしょう。


 次に収益財務指標について解説します。

株主資本利益率(ROE)

 株主資本に対する純利益の割合のことです。資本家の投下した資本が、どの程度の利益を上げているかを示す指標です。勿論、株主資本利益率が高ければ高いほど優良な企業であり、投資対象としても魅力的であるということになります。

総資本利益率(ROA)

 利益を総資本で除した指標です。投下された総資本が、企業の利益獲得のためにどれだけ効率的に利用されているかを表しています。企業の総合的な収益性を示しており、ROAが高ければ高いほど、収益性に優れた優秀な企業ということになります。ROAの高い企業は投資対象としても魅力的です。

株主資本比率(自己資本比率)

 株主資本を総資産で除した数値です。株主資本比率が高ければ高いほど、その企業の財務の安定性が高いことになります。財務の安定している企業は、経営も安定しているので、株主資本比率の高い企業は、安心して投資できる企業である可能性が高いと言えるでしょう。

時価総額

 時価総額とは、企業の発行済株式総数に株価を乗じた値です。時価総額は企業の規模を示しており、時価総額が大きければ大きいほど、企業規模が大きいことになります。たとえば、トヨタなどの自動車各社、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの大手銀行、NTTなどが時価総額の高い企業です。
 ただし、株価が企業の実勢価値と乖離している場合も見受けられます。その場合には、時価総額と企業の実際の姿が乖離してしまうので、時価総額を完全視するのは危険な場合もあります。

 この他にも投資指標はあります。様々な投資指標を併用し、投資に活かしていきましょう。

(文責:K.H)

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